品川駅を降りるとすぐ眼前にあるが、不思議なもので興味がない人にとっては存在すら気付く事はないだろう…かなり灯台もと暗し的な神社である。当社は約500年前に京都伏見稲荷大社より勧請して建立されたとの事。
面白いのはこの石燈籠(おしゃもじさま)。この燈籠の形は切支丹燈籠といってキリスト教が禁教とされていた時代、密かなキリスト教信仰の対象として作成されたものである。形は日本的だが、どことなく十字架のような体裁になっている。この神社の燈籠も然りである。「高輪海岸で処刑された外国の宣教師を供養するために建てられた」との説や品川沖の海中より出土した説などもあるが詳細は不明。
なお、こちらの狛犬は慶応の年号が刻まれており、江戸末期のなかなか立派なもの。駅前のビルに囲まれながらも、いかにも仕事が出来そうなビジネスマンがサクッと参拝しているのを見ると、意外にも信仰は受け継がれているようだ。