稗田野神社の最も興味深いところは、「約三千年程前この地に住み着いた人々が土盛りの処で食物や野山の神を祭り、原生林を切り拓き田畑を造り、収穫した穀物を供え祈りを捧げるようになった。その後709年にこの盛り土の前に神社を祀ったのが始まり」という由緒。
000年前と言うと縄文時代である。本当かどうかは分らないがその盛り土は今でも本殿の後ろにあり聖域として守られている。
古代原始宗教と神社との関連性については良く知らないが、古来より聖域とされていたその場所に神社が祀られたという事はおそらくあったのだろう。改めて日本の歴史の深さをこの盛り土に見る思いだ。
とにかく寺院の多い界隈で偶然見つけた隠れ桜の名所。日蓮宗・京都十六本山の一つで紅葉の名所として知られるが、訪れた時は門前の桜が見事だった。
静かに桜を楽しみたい人にはベストな寺院である。ちなみに道路を挟んだ近くには水火(すいか)天満宮があり、探索スポットとしても素敵な所である。
とにかく寺院の多い界隈で、上で紹介している妙覚寺とは目と鼻の先。寛政年間建立の多宝塔が、桜と相まって大変美しい。訪れた時は石畳を、着物を大変優美に着こなした女性が歩いていた。
観光地として扱われる寺院ではないので、静かな時間を過ごす事が出来る。
由緒は判然としないが、神功皇后を主祭神とする。その昔、香りの良い水が湧き出たため現在の名がついたが、現在は美しい桜の名所でもあり、正に花の香りも楽しめる。重要文化財の本殿はしだれ桜とのコントラストが美しい。
拝殿の装飾もまた見事でこれらの文化財を守る狛犬は、お役目の重責からか、もの凄い形相。この神社の本当の見どころは摂社・末社にあるので、下記で紹介する事とする。
御香宮の重要文化財も素晴らしいが、是非境内の摂社・末社もじっくり見ていただきたい。ありとあらゆる神様が集う様は、御利益を通り越して少しほほえましいほどです(失礼な意味ではありません)。
●八坂・住吉など4神を合祀 ●熊野など6神を合祀
●豊国社 ●大神宮 ●池と弁天社 ●松尾社
●東照宮 東照宮とユーモラスな狛犬
●稲荷社 妙に色っぽいぬらっとした狐
今から約1800年前に神功皇后によって創建された由緒正しい神社。境内は広く、本殿は国指定重要文化財である。勝負の神様として競馬ファンからからも篤い信仰を受けている…という説明を読み周囲を見渡すと、何となくそれらしき殿方が多いような。思い込みかも知れないが…。
桜の本数は少ないが境内が広いためゆったり楽しめる。クラウチングスタートで突入寸前の狛犬がとても印象的。
参道には公園もあり、地元密着の良い神社である。
藤森神社内の摂社にはなんと2つの重要文化財がある。その重要文化財の本殿は猫の昼寝スペースであり、どこか人間離れした不思議な空間なのである。
●藤森稲荷社の狐はどこか官能的
●八幡宮(重要文化財)
●大将軍社(重要文化財)
●天満宮(左)
●八幡宮・祖霊社と猫
●悠然と歩む猫
由緒によると、延喜年間、藤原繁成の邸宅跡に市杵嶋姫命、田心姫命、湍津姫命を勧請したのが始まり。遠くから見ると、普通のお宅の脇に併設されているように見えるがコンパクトな雰囲気がなかなか素敵である。
当社の西側にある駐車場奥を歩いていくと、そこには「班女塚」がある。『宇治拾遺物語』によると、亡くなった若い女性の遺体が墓地に運ぶ途中、3度もこの地に戻ったため、仕方なくこの地に遺体を埋めた…との事。この石に未婚女性が触れると破談になる…という怖〜い伝説の残る土地なのである。
「班女」が「繁昌」に訛ったなど諸説あるが詳しい事は分っていない。
祭神は菅原道真公・尼神・大己貴命(大国主命の別称)。菅原公の邸宅跡と言われ没後まもなく神社として創立されたらしい。現在の本殿は、江戸時代の下鴨神社の建物を明治2年に移築した由緒あるものだそう。大宰府に左遷され、「こち吹かば〜」と故郷の梅を懐かしんで詠んだ歌があるが、正にこの地を思い出しながら読んだ一句である。
周辺はレトロ商店街も多く、細い路地が入り組んでいて本当の生活空間である。観光地化されていないため人は少ないが、生き生きとした京都人のリアルな生活を覗くなら、この辺りの散策が是非おススメ。オシャレなバー、普段使いの居酒屋、料亭もある。神社も非常に多い。菅大臣天満宮の北側「紅梅殿(邸宅跡)」は、住宅地の中にこじんまりと鎮座していてとても良い雰囲気。正に、地元に愛されている雰囲気の可愛らしい摂社である。街ウォッチングとあわせて散策するのがおススメです。
京都の五条に天使突抜1丁目〜4丁目という謎の地名がある。また南北に「天使突抜通」という細い通りもある。なんだか西洋の雰囲気漂うネーミングだが、江戸時代「五條天神社」の鎮守の森に道を造ったことに由来し、境内を突き抜けて造られたため、このネーミングになったとの事である。こういう謂われが各所にあるのが京都の面白い所である。
しかし、現在の神社には鎮守の森は一切なく、完全にむき出し状態である。祭神は少彦名命、大己貴命、天照皇大神。少彦名命は、『古事記』によれば、オホクニヌシの国土造成に際し、アメノカガミノフネに乗って波間より来訪し、オホナムチ(大己貴)大神の命によって国造りに参加した。嬉しい事に酒の神でもある。ちなみにこの界隈にも古くからの商店街が多くあり見どころ満載なエリア。